コンプレックスを克服するために

コンプレックスは伸びる「きっかけ」

  • 人は多かれ少なかれどこかにコンプレックスのようなものを持っているものです。それが「コンプレックス」とまでいかなくても、「そのままではいけない」という「課題」のようなものは誰もが持っていることでしょう。

    自分をうまくコントロールできる人は、実はそれが自分を成長させるために非常に有効であることを知っています。自分の足りない部分は、すなわち自分が成長するための「余地」であるという考え方ができる人は、本当にどんどん成長していくものです。

    もともとが、さまざまな人がいるこの社会で、「人と比べる」ということ自体がナンセンスではあるのです。人と比べたからといって、基準が曖昧で、環境も境遇も違う人と何を競えばいいのかということがわからないまま、ある一点が劣っているから「負けている」、ある一点が勝っているから「勝っている」などというくだらない自己満足感に踊らされてしまうことは、「損」でしかないのです。

    人として成長できるかどうかは自分次第ではあるのですが、「セルフコントロール」は伸びるために必要なマインドのひとつです。コンプレックスという意識自体が「人と比較して」という、基準点を自分の外に設けた場合の感覚ですが、ウラを返せばそれは「自分では気がつけなかった」ということでもあります。そのような事実を真摯に受け止めて、今はその相手よりも劣っているその物事に関して、自分も身につけることができれば今後の「武器」になるのではないかという考えに至ることができたのであれば、それは伸びる余地になります。

    自分に対して絶望していないというのであれば、その時抱いている「コンプレックス」というものは自分が伸びるチャンスであると考えなおすことができます。人は誰もが悩みを持っています。それぞれの境遇において、それぞれの悩みがあるものです。ですが、それらの悩みに対してどのように行動するのかということで、その後は大きく変わってきます。そのまま「ダメな自分」に対して劣等感を抱いたままなのか、足りない部分を補って人に誇れる人材に成長するのか、そこで人としての「可能性」がわかれるのです。

    「その時」はその時なのです。大切なのは「その後」で、「どうせ自分にはできない」とタカを括ってしまった瞬間に、人は成長を忘れてしまうものなのです。必要なことは何歳になっても「向上心」です。向上心がそこにあればこそ、私たちは人として成長することができるのです。誰かが教えてくれるのではなく、自分だけで発見できる自分の課題と、その克服方法、それらを常に冷静に捉えることができる人は、それが「コンプレックスである」などとも思わないものなのです。人として成長するためには、そのような人としての「伸びしろ」が必要です。

    成長は、「させてもらえる」というものではなく、自ら「する」ものなのです。甘えていても誰も育ててはくれません。待っていても教科書は降ってこないのです。