• コンプレックスなどというものは誰にでもあるものです。自分に自信がない。人と比べたときにどうしても劣っているなどということは、ひとつやふたつ、誰にでもあります。

    私たちは日々それらのことを乗り越えて生きています。納得の仕方は人それぞれでしょう。「自分は自分、他人は他人」と、あくまでも自分の価値観を大切にする人もいるでしょう。さらにはその「劣っていること」すらも「自分の個性だ」と考えることができる人もいます。どのようなことでも、比べれば人より優れた点、劣った点があるものです。私たちはそのようなこと対してそれぞれ、自分なりの答えを出しながら生きているのです。

    そのような「納得」が無意識で行われていたり、瞬間的に過ぎ去っていたりするものであれば、精神的には健全な状態で過ごせるでしょう。そうではなく、「ずっと考え込んでしまう場合」が問題です。人よりも劣っている。どうしても埋まらない溝、越えられない壁がある。「だから自分はダメなんだ」と、思い詰めてしまうことで、精神衛生上あまりよくない状態に陥ってしまうのです。

    コンプレックスとは劣等感です。なにかにおいて、自分が誰かよりも音っているのではないかという気持ち、またはそのように思い込んでしまい、「自信」をなくしてしまうことそのものです。そのような「コンプレックス」を持った人は、表に出していないだけで結構いるものです。それは特定のことに対してのみであったりもするでしょう。「勉強が苦手」、「勉強の中でも特にこれが苦手」、「人と接するのが苦手」、「人前でハナシをしたりすることが苦手」、「自分の容姿に自信がない」、「自分の容姿の中でも特にここが、自信がない」、「稼ぎが少ない」、「同年代の人とくらべて自分は全然出世していない」、「特技も趣味もなにもない」、「休日の過ごし方がわからない」など、例を挙げればキリがないのです。

    そして、そのような「悩み」のようなものは誰もが多少は抱えたものであるということです。自分だけが悩んでいるわけではなく、誰もがそれで悩んでいるということ、誰でもそのような精神状態に陥ってしまうことがあるということをまずは覚えておきましょう。

    「悩んでいるのは自分だけではない」ということです。

    そのようなことを考えると、なんだか少し気が楽になるのではないでしょうか。至らないところ、得意なところ、そのようなことをすべてひっくるめて「自分」なのです。世界にひとりしん存在しない「自分」、誰も代わりができない「自分」、そのような自分を大切にすることができるのは、まずは自分だけです。そのような自分を認めてくれるのも、まずは自分でしょう。

    コンプレックスを克服するためには二通りあります。「本当にその問題を解決する」のか、「改めてその問題を受け入れる」という方法です。精神衛生上「どうなるか」ということが大切です。劣ったところもすべてひっくるめて、「自分」なのです。自分をまず、見つめましょう。