コンプレックスを克服するために

完璧な人間などいないということ

  • 世の中に「完璧」な人間などは存在しません。誰もが自分の行動に対して悩むことがあります。誰もが「何が正しいのか」と悩むことがあります。それは自分が完璧ではないからです。

    そのようにして悩むこと自体が、実は前向きなことだということを、そのように「次はどうしよう」と考える人は知っています。社会というものが常に流動していて、自分が「そのまま」でいるだけでは取り残されていることを知っているのです。一生懸命働くということは必要ではあるものの、ただそれだけの毎日ではいつか自分が世間から取り残されてしまうということを知っているのです。そのような意識があるからこそ、「次はどうしよう」と考えるわけです。

    「次」や、「この先」、「将来」ということを考えることはとても前向きなことです。今よりも「未来」に、自分はどうなっていたいのか、今よりも「先」に、自分はどうなっていたいのか、それを考えることはこれから身につけなければいけない「スキル」を考えるということでもあります。そのようにして成長する人は常に自分は「完璧ではない」と思っているものです。自分が完璧ではないから、何かを身につけなければいけないと、自然と考えることができるのです。

    自然にそのようなことに気持ちが回る人の特徴として、「謙虚」であるということが挙げられます。謙虚であるから、「自分には足りないことがある」という考えにも至ることができるものですし、さらには「学ぶ姿勢」というものを身につけることもできるのです。学ぶ姿勢があるからこそ、新しいことを習得できるのは当たり前のことでしょう。

    何が足りないことなのか、どのようなことを学べばいいのか、自然と常に考えている人が、常に「成長」できる人なのです。成長するということはそれまでの自分を否定することも必要かもしれません。そのようなことは、実は謙虚でなければ叶わないことなのです。謙虚でいることが大切だと社会で言われるのは、そのようなことがあるからです。

    何かにコンプレックスを抱いた人は、人のことを羨むものです。自分よりも優れた人のことを羨むのです。そして、それは「環境」のおかげだと曲解してしまい、自分は「恵まれなかった」と、「なにかのせい」にしてしまうのです。

    そのような思考では実はなにも成長することができないもので、人が成長するために必要なことは「誰かの、なにかのせいにしない」ということも重要なのです。コンプレックスを抱いた人はこのような気持ちがありません。

    自分は完璧ではないと、自分自身を冷静に判断することができる人が成長できる人であり、その先にある「何か」をつかむことができる人です。そのような人は常に自分のダメなところを探しているものです。自分がダメであるから、もっと身につけなければいけないことがあるから、常に謙虚なのです。そして、そのように成長することで得られるものは尊いものであるということを、「知っている」のです。