コンプレックスを克服するために

自分に自信がない心理状態

  • 私たち人間は、実にさまざまな人がいるものです。趣味嗜好も違えば、「正義」としていることも違います。価値基準も人それぞれですし、知っていることもバラバラです。

    そのような「多様性」こそが、私たちの社会を彩っているということを、普段あまり意識する人はいません。それぞれの人が自分の生活を維持しながら、よりよい明日を迎えるために日々頑張っています。それは「お金を稼ぐ」ことかもしれませんし、「心を広くして善行を行う」ということかもしれません。勉強を頑張って将来に備えるということかも知れませんし、子どもがすくすく育つように世話をすることかもしれません。自分の価値観、自分が大切にしていること、人の基準ではなく、自分が「そうしたい」と思うことを守りながら生きているものです。

    ただ、そのような「ポジティブ」な心理状態ではいられなくなることもあります。それはちょっとしたことがキッカケになります。誰でもそのような状態に陥る可能性があります。それは「自分に対して自信が持てなくなる」という状態です。ネガティブになっているという状態であるといってもいいでしょう。それが「なぜなのか」という原因は人や状況によってさまざまですが、そのような「自分はダメなんだ」という気持ち自体が精神的にすでに「負け」のモードに入っているといってもいいでしょう。

    誰もが、「なぜこうなってしまったのか」ということを分からないまま、落ち込んでいきます。人に笑われたことがキッカケなのかもしれません。そうではなく、客観的に自分と人を比べてそう思ってしまっただけなのかもしれません。それは人によります。「状況」によります。ただ間違いないのは、その時の精神状態は「前向きではない」ということです。

    私たちの本質は「未来を考える」ということにあります。同じように見える毎日も、「同じ一日」は絶対にやってはきません。その瞬間はかけがえのない「唯一」のものであり、その積み重ねとしての1分、その積み重ねとしての1時間、その積み重ねとしての「1日」があるのです。そのようなことを本能的に知っているからこそ、私たちは何かを頑張ったり、また明日の頑張りのために英気を養ったりするのです。

    明日があること、「今日」がもう取り戻すことができない大切なものなのだということ。それを知っている人は前向きなのです。ですが、そうではない精神状態の人は、「何か」に対して諦めや「嫌悪」しているものです。そのようなことは誰にでも起こることなのですが、それが長続きしてしまっていること、「明日も変わることはない」と、そのような悲観した意識に変わってしまっていることが問題なのです。

    そのような人の状態を私たちは「ネガティブ」と呼びます。また、そのような状態に陥ってしまった原因が「人と自分を比べた結果」である場合、それを「コンプレックス」と呼ぶのです。コンプレックスに悩み続けることはムダなことではありませんが、そればかりが気になってしまって「創造性」を失った状態ではいけません。